- 建設CALSへの取り組み -
<建設実務(2001/1)「IT革命は何をもたらすのか」より:山根一男>
●コア・コンピタンスであるノウハウのあり方が変わる
ゼネコンは、すでに協力会社への外注という形で施工自体をアウトソーシングしており、施工に関わるノウハウを活用した業務が主体となっている。建設産業の特性を考慮すれば、建設業における競争力の「核=コア」とは、まさに、これまでの建設活動によって蓄積されてきたこの「ノウハウ」といえよう。
コア・コンピタンスをより高度化するためには、ストックされた知識の共有だけでなく、その知識を「活用」することで新たな発想を生み出し、競争力の源泉とすることが重要となる。つまり、現場のノウハウや顧客情報などは担当者個人に止めるべきものではなく、トップマネジメントを含めた全社的な財産とすべきものであり、その活用は今後の建設企業にとって不可欠なものであろう。
※コア・コンピタンス・・・自社の競争力の核
野中郁次郎氏によれば、新たな知識とは言葉にできない知識「暗黙知」と、言葉にされた知識「形式知」の相互循環作用から生まれるものである。我々の持っている本質的な知識の多くが単純には言葉にしにくい暗黙知から構成されている。
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暗黙知
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形式知
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主観的な知(個人知)
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客観的な知(組織知)
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経験知(身体)
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理性知(精神)
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同時的な知(今ここにある知)
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順序的な知(過去の知)
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アナログな知(実務)
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デジタルな知(理論)
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たとえば、上手な大工さんに「どのようにすればクギをうまく打てるのか。そのコツは?」と質問しても、クギを打った経験のない人に対する場合、答えに窮すると思われる。従来の「日本的な」仕事の進め方の良さは、単純なマニュアル化よりも優れた個人と長い時間を共有することであり、そのほうが暗黙知の移転に優れた効果を発揮してきた。QC活動やケイレツ企業管理などがそれにあたるといわれている。
この強さを欧米の企業が研究し、コンピュータに組み込めるようにしていった。 1990年代のリ・エンジニアリング、サプライ・マネジメント、CALSなどがそれだといわれている。(米倉誠一郎
『経営革命の構造』)優れたアイデアや時間のかかる価値共有を、いかに早く形式知化してITに乗せていくかが勝負となった。
建設企業、とりわけゼネコンにおいては、これまでの施工経験によって培われてきたノウハウや顧客情報などの知識(ナレッジ)が蓄積されている。ITによってナレッジの蓄積量は飛躍的に増大し、ITによるプラットフォーム(共通の場)を暗黙知形式のプラットフォームとして活用することで、「個人知」を全社的な「組織知」にまで高めることができる。このようなマネジメント手法を企業の強力なツールとしていくことが必要となっている。

◆当社もノーツシステムを導入したことで、情報の共有化をすすめ、ナレッジマネジメントを目標にしています。残念ながらノーツのユーザーで情報をデータベース化して効果をあげている企業というのは、そんなに多くありません。
最初からうまくいくとも思っていませんし、その失敗の過程そのものを情報として、又はノウハウとして蓄積していければと考えています。 しかしそれはノーツというシステムそのものよりも、それを運用していく我々の考え方にかかっているのでしょう。<end>
●今、何をしなければならないのか
●建設経済研究所、取材で来社
●(財)建設経済研究所
Research
Institute Construction and Economy