加藤組土建株式会社

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- 第52章 -

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52-03:神様は見ている  <05/02/03>

 

●トラブル対応法

私が今の会社に入社した時、一緒に仕事をすることになった人にこんな人がいた。
普通、何か仕事上で失敗した時、なんとかそれをカバーしようとして人知れず証拠隠滅を図るために様々なことをするものだ、と思っていたのだけど、その人は違った。
「あー、まぢがえだでぇ。」
と困惑した顔で私の顔を見ながら、そして正面からそのトラブルに対処するのである。

私の周りには、自らの失敗を偽造工作とも思える見事なやり口でなかったことにしてしまう人や、人知れず他の誰かのせいにしてしまう人は少なくない。
でもその結果、根本的な解決になっていないことがほとんどだった。
トラブルの原因となった失敗を見せないようにするのだから、当然といえば当然だ。
その人は昨年退職されてしまったが、トラブルに正面から向き合うその対応法は、少なからずともその後の私に影響を与えた。

●自主企画ライブ

先日、私が参加している中で、一番長く在籍しているバンド主催のライブがあった。
久々に自主開催ということもあり、他人任せに出来ない様々な問題が浮き上がった。
普段は誰かの企画したステージに呼ばれて演奏することが多いので、その場に行って弾けばおしまいということも少なくない。
自主企画ともなると、そうもいかないのだ。

まず出演者。
自分たちのバンドに加えて、一緒に出てもらうバンドのクオリティ。
少なからずも入場料を頂いて、人前で演奏するに足るパフォーマンスができるのか?
そしてイベントの成功には欠かせない動員。
どちらも自主企画であるわけなので、他人任せにできない部分だ。
今回の企画を進めていく中でいろいろ考えることがあった。

●ゲストバンドの問題

今回のライブでは我々ともうひとつゲストバンドが出演した。
実は私はどちらにも在籍していた。
ひとつは結成して10年になろうというバンドで、もうひとつは結成半年というバンド。
が、どちらも演奏して出てくるサウンドは最悪だった。
ゲストバンドにいたっては、本番一ヶ月前までレパートリーすらないという悲惨な状態。
オーナーは私ではないので、あまりでしゃばることはしたくなかったが、このままでは出演も危ういと考えた私は主なメンバーと話し合いを持つことにした。

酒に任せて言いたいことを言ってしまったわけなのだけど、その結果はその時点では微妙なものだった。
「ホントにわかってもらえたのだろうか?」
小心者の私には、不安な日々が続いた。
しかし今年に入り、彼らの出す音は俄然良くなってきた。
自分たちのやるべき方向がわかったからだった。

●ホストバンドだって

問題はゲストバンドだけではなかった。
ホストとなる我々のバンドの音もひどかった。
長い間、新曲らしい曲もやってなかったので、それではと選んだ曲の仕上がりがあまりにも遅い。
加えて以前やっていた曲すら、出来が悪くなっている。
それぞれがちゃんと練習してくれば、問題ないはずなのにそれができていない。

本番1週間前にパート練習と称して、問題のパートを集めてスタジオに入ることにした。
私の必死な思いが通じたのだろうか、スタジオに入った彼らは自らのやるべきことをやってきてくれた。
結果、サウンドは以前と比べ物にならないほどよくなった。

●あきらめない

音は決まった。
後はお客さんが入ればいいのだ。
ところがチケットが売れない。
実は私、自分のライブのチケットを売ったことがない。
いつも他人任せ。
ところが今回はそうはいかなかった。
事前の売券状況が芳しくないのだ。
私は恥ずかしながら、自分の状況を親しい知人に話してみた。
結果、私にしてみればかなりいい結果になった。
そして当日。
冬の冷たい雨という悪天候にもかかわらず、大入り満員となった。
演奏も来てくれたお客さんに喜んでもらったようだ。

今回のイベントで、私は今年の目標を決めた。
「あきらめない」
トラブルがあっても、正面から向き合って対応することで、いい結果につながっていくことを実感したからだ。
一生懸命やっていれば、神様は見ていてくださるのだ。
私は宇宙人なので神様は信じていないが、今回は自分以外の違う力が働いたような気がした。

・・・end

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