●56-08:私とブッシュとの関係
<06/04/28>
●場所とり
先日、友人宅に遊びに行った時に、友人の奥さんがこんな話をしてくれた。
銭湯の女湯では、洗髪スペースの場所とりが当たり前に行われているというのだ。
もう既に女湯に入った頃の記憶はないのだが、少なくとも男湯にはそういうルールというかマナーというものは存在しない。
これは彼女以外の女性にもよく聞く話で、我が町の女湯では洗い場に自分の洗面道具を置いて場所とりするのは常識になっているそう。
それどころかどこの銭湯でも主のようなオバサンが存在しており、お湯の加減や洗い場での揉め事を仕切っているという噂もチラホラ。
女性の裸を見たいという気持ちは置いてといて、そういった世界を覗いて見たい気もないわけじゃない。

●アタシの席なんだけど
友人の奥さんが洗髪しようと思い洗い場を見ると、あいにく空いているのは1箇所のみで、しかも当然のように誰かの道具が置いてある。
周りを見渡しても持ち主らしき人がいないので、奥さん、その道具をどけて洗髪することにした。
長い髪にいっぱいの泡がたってゴシゴシしていると、背中を誰かがトントン・・・。
「ここアタシの席なんだけど!」
この時、周りを見ると、誰の道具も置かれていない席がひとつ空いていた。
どうやら奥さんに「お前はそっちで洗え!」ということが言いたいらしい。
しかし自分の頭は洗髪真っ盛りの泡だらけ。
『アンタが自分の道具を持ってソッチにいけばいいじゃん!』
そう心の中でつぶやきながら無視したんだそうだ。
その後、外の露天風呂でそのオバサンと一緒になった時も、険悪な雰囲気が湯気と共に漂っていた。
●人間関係の距離
ここまでの話なら、よくある女性同士のいがみ合いなのだが、友人の奥さんは違った。
お風呂につかりながらある事を思い出した。
それはとある大学の先生が話していた「人間関係の距離」の話。
自分と友人・知人の関係を1とすると、自分とその友人・知人の友人・知人は2、そのまた友人・知人は3と数えていくのだそうだ。
そうやって世界中の人間の関係を距離にしてみると、6でほぼ全世界がつながるというのだ。
誰しも自分の知り合いとわかればそうそう腹を立てることもない。
ケンカしている相手が自分の知り合いの友達だったとわかれば、「あ、そうなの!」と怒りが治まることだってあるだろう。
そうやって考えていけば、世の中に戦争なんかなくなるんではないか?
そういうお話だったそうだ。
●コイズミさんが2ってことは
我が街は人口30万をウロチョロしている、さほど大きくもない街。
おそらく関係距離3程度で、全ての人がつながるだろう。
ひょっとしてさっきのオバサンも直接の知り合いではないけれど、友達のA子ちゃんの知り合いかもしれない。
そう考えると、彼女は「そのオバサンとケンカすることもなかったのではないか?」と思い始めた。
みんな知り合いなんだもん、腹を立てるこtもないじゃない、と。
なんともいい話ではありませんか?
そんな話をお酒を飲みながら話していると、友人がある事に気がついた。
一緒に飲んでいたS君にこう言ったのだ。
「そういえばS君、国会議員のKさんと知り合いだよね?」
「うん、知り合いだけど、何で?」
「じゃKさんは総理大臣のコイズミさんともきっと知り合いなんだよね。」
「そうかもしれないネ。」
「ってことはサ、コイズミ総理とアメリカのブッシュ大統領は知り合いなんだから、S君は3でブッシュとつながることになるんじゃない!」
●宇宙の平和
その発見に一同低く「おぉぉおおお!」
コイズミさんと2で繋がるのもスゴイが、ブッシュと3!
こりゃ戦争なんてできやしない。
当然、S君は私の友人であるので、私とブッシュとの関係は4。
そう考えると、今までTVのニュースを見ながら文句言っていた私も多少は彼の気持ちを考えてみようという気もおきようってもんだ。
もしかして、ブッシュはアメリカ大統領として極秘に宇宙人にも会っていたりなんてことを想像したら、夜の星の瞬きもまた一味違ってくるんじゃないか。
人間、相手が知り合いだとわかれば、そうそう腹が立たないものなのだ。
ひょっとして平和に必要なのは、お金でも核でも宗教でもなく、こういったことなのかもしれない。
と、ここまで考えて、あることに気がついた。
知り合いだからこそ腹が立つってこともあるのか?
そういえばウチにも・・・。
・・・end


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