●56-11:ズル男、発見!
<06/06/29>
●子供と一緒に運動会
先日行われた、私の知人の飲み屋が主催して行われた運動会でのヒトコマ。
なかなかスカッと晴れない日が続く中、この日は見事な運動会日和だった。
この日集まったのは、およそ運動会などという健康な行事には縁のない酒好きの呑み助やバンドマンばかり。
集合は11時だというのに、まだ眠たい目をこすりながらゾロゾロ30人以上集まった。
中には小学生と思しき子供を連れた者もいる。
久しぶりだ・・・子供と運動会なんて。
あまりにも久しぶりなので、どう向き合っていいものかしばし戸惑う。
まぁ向こうはそんなことお構いなしで、子供同士5,6人でギャーギャー騒いでいる。
そんな中で特に言うことを気かなそうな奴が一人。
見るからにジャイアンタイプで、見るからに手ごわそう。
●アメ食い競争のプロ?
いや、わんぱく坊主なんて恐くない。
一生懸命遊ぶ子供は、おじさん、大好きなのだよ。
出場する種目を決める時にヤツはこう言った。
「オレ、アメ食い競争のプロなんだ!」
ふーん、最近じゃいろんなプロがいるものね。
他の人の意見などには耳を貸さず、自分のやりたいことだけ言う。
うーん、実に子供らしい。
子供はそうでなくてはいかん。
ちなみに私は顔がバカ殿みたいになるのがイヤだったので、パン食い競争を選択。
ちなみに生まれて初めてのパン食い競争だ。
●ジャイアン、走る
さて「プロ」のアメ食いアスリートの妙技を見ようと、ヤツのスタートを見守る。
「よぉおおおい、ピィイイイ!」
お世辞にもカモシカとは言えないジャイアン体型のヤツは、ドタドタと小麦粉の粉に埋まった飴が入った箱めがけて突進していった。
ルールをご存知ない方がいるかもしれないので一応説明するが、アメ食い競争とは、粉の中に埋まった飴を手を使わずに口で拾い、ゴールめがけて走る。
箱まで辿りついたアスリート達は箱の前で立ち止まり、顔を粉に近付けて「フーフー」と粉を吹き飛ばす者、白い粉を怖れずそのまま顔をうずめる者、それぞれのやり方で飴を探している。
そんな中、ドタドタとジャイアンが箱の前に到着した。
そこで私は驚くべき光景を目にする。
●それって・・・
な、なんと、ジャイアンは何のためらいもなく飴を手でつかんで口に入れ、さっさとゴールに向かって走っていったのだ。
もちろん1位だ。
ありなのか、これって?
これがヤツの言うプロの技なのか?
それともプロのサッカー選手が審判の見てないところで、相手チームのシャツを引っ張るようなもんなのか?
実は私はその後の競技でもジャイアンの妙技を目にすることになる。
それはお玉リレー。
ボールをお玉の上に乗せて落とさないように走るというもの。
ジャイアン、走ったはいいがやっぱり落とす。
するとなんとヤツは、落としたボールをさらに手で進行方向に転がし、何食わぬ顔でそれを拾ってお玉に乗っけて走っていったではないか。
それって「ズル」なんじゃねーのか?
●ズル男ー!
子供が自分の頭で最初からそう考えるとは考えにくい。
やはり親なり親戚なり、近くにそうやることを当然の如く遂行している大人がいるのではないかと想像する。
その場では、正直にルールを守るヤツはバカとされているのだろう。
そうやって本人は自覚しないまま、立派なズル男へと成長するのだ。
運動会の打上げ会場の飲み屋で、知人が撮った運動会のビデオをみんなで見た。
そこにはジャイアンがアメを手でつかみ、玉を進行方向に手で転がすズルの所業が映し出された。
私を含むバカ正直な大人達が数人、「ズッルー!許せなーい!」と地団駄を踏んだ。
ちなみに私は我が家にいる時、都合が悪くなると耳が遠くなる。
ん?遠くで家人が何か叫んでいるようだ。
「ズル男ー!」
・・・end


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